送付状の必要性と区別のしかた

見積書や請求書を送付する際、ただ見積書や請求書をペロッと1枚送るだけではなく、送付状を付けることがあります。
この、送付状、なんで必要なのでしょうか?
また、どのような場合に送付状をつけるといいのでしょうか?
送付状の必要性
送付状をつける目的については、いろいろと言われるところではありますが、もっとも重要なことは、「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのか、を明らかにして送付相手に示すことにあります。
見積書と添付資料を合わせて3ページ、とか、請求書だけで1ページ、とか、です。
受け取った相手方は、送付状に記載されている宛先が自分であること、送付状に記載されている文書が、これまた送付状に記載されている枚数、あるのか、を確認することができます。
なお、これに加えて、以下の2点の役割があると言われます。
一つは、挨拶というか体裁を整える、役割です。
いきなり本題に入るのは奥ゆかしい日本ではあまり受け入れられておらず、送付状を付けることで、一枚クッションを挟むことになります。
このことから、送付状は、文書の一番最初につけます(全ての資料の最後に送付状がある、ではまずいということです)。
そしてもう一つは、補足説明を付けることです。
補足説明は、送付している書類に関する補足情報を含みます。
例えば、見積書を送付する際、「先週の月曜にご来店いただいた際に、ご依頼いただいた件の見積もりです」等と書いておくことが、見積書には記載すべき内容ではない一方で、相手方には伝わりやすい可能性があり、これが補足情報となります。
また、補足情報には、送付している書類以外の内容を含めることもできます。
例えば、2件の検収を行うことになっている場合に、「添付の検収は〇〇1件分になります。残りの検収は3日後を予定しており、検収完了時には、その分の検収書を別に送付させていただきます」などと記載するような場合があります。
送付状をつける場合、つけない場合の区別
ビジネス文書は、もともと手渡しすることが原則であり、郵送やFaxは、略儀のため、送付状をつけましょう、という説明するサイトもあります。
しかし、送付状の必要性について述べた通り、送付状の目的は「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのか、を明らかにすることにあります。
手渡しの場合、「誰に」は明確ですが、「何を」「どれだけ」は相手に示してあげることが親切と言えます。
そのため、手渡しする際にも、送付状という名前でこそないものの、送付状と同じような内容の書かれた表紙をつけることがよくあります。
また、最近ではビジネス文書(見積書や請求書など)をメールで送ることも珍しくなくなってきましたが、この場合には送付状をつけることは必ずしも必要とされていません。
何故なら、送付状に記載する内容については、メール本文に記載すれば事足りるからです。
この点からも、略儀であることは送付状をつけることとは必ずしもリンクしていないと言えます。
では、送付状をつける場合、つけない場合はどうやって区別したらいいのでしょうか。
それは、送付状の必要性があるかないか、つまり「誰に」「何を」「どれだけ」が他に示されているかどうか、で判断するよりほかありません。
つまり、郵送やFaxのように、他に知らせる方法がない場合には送付状をつけます。
メールのように本文に記載できるのであれば不要です(個人的には、資料の文章が増えてしまうため、返ってつけない方がよい、と思います)。
最近では、クラウド上の共有スペースに文書を保存しておくことで受け渡しができるようになってきましたが、このような場合には、つけておきます(他に知らせる手段がないためです)。
対面で手渡しする場合には、相手方と、その場で書類の内容を確認できるのであれば、送付状は必ずしも必要ありませんが、見積書です、と言って渡した際に、分かったからと検分されずに受け取られるのであれば、つけておくことが望ましいと言えます。