○○で候(そうろう)の意味

時代劇を見ていると、よく、何々で候(そうろう、と読みます)というセリフが出てきます。
昔の手紙にもよく出てくるのですが、これは、辞書的には「さぶらう」が変化したもので、簡単に言えば、「です」と言い換えればいいもので候(そうろう)。
さて、時候の挨拶にも、時候という言葉自体に「候」が含まれますし、「早春の候」のように文面にも出てきます。
この「候」を使いこなすことは、時候の挨拶を短くすることに繋がります。
時候の挨拶は短い方がいいのか、は時と場合によりますが、短くできるテクニックを身に着けておくことは無駄ではありません。
では、改めて、「候」ですが、これって、なんでしょうか。
候とは季節
辞書を引けば一発ですが、「候」とはズバリそのまま季節のことを意味しています。
早春の候、は春の早い段階(春になったばかり)の季節、という意味になります。
なお、この場合、「候」は基本的には、「コウ」と読みます。
早春の候は、「ソウシュンのコウ」です。
みぎり、とは
この「候」と同じような使い方で、みぎり、という言葉を使う場合もあります。
早春のみぎり、という感じです。
早春の候、と早春のみぎり、は意味としては全く同じで、春になったばかりの季節、です。
ややこしいのですが、「候」を「みぎり」と読むこともあります。
あるのですが、漢和辞典には普通は載っていない読み方なので、「こう」と読んでおいた方が無難です。
では、同じ意味の「候」と「みぎり」何も考えずにどっちも使っていいか、というと、ほとんど問題にはなりませんが、違いがなくもありません。
それは、「みぎり」が女性言葉である、という違いです。
女性言葉
女性がよく使う表現を女性言葉と言います。
自分のことを「あたし」と呼ぶのは男性ではあまり見かけませんが、女性ではたまに見かけます。
昨日、スーパーでサンマの安売りしていて、きゃーっとなって、ルンルンで思わず5匹も買っちゃったわよ、4人家族だっていうのにね♪
はおそらく女性のセリフ、だと思われるのではないでしょうか。
それは女性語(~わよ、とか)が使われているからです。
女性語は、のりぴー語とか、ギャル語とかと同じで、その言葉を使うと、ああそういう人なのね、と思われる言葉です(いい意味でも、です)。
ビジネス文書で、女性語が許容されることはとても珍しいのですが、この「みぎり」は数少ない例外の一つと言えます。
腹筋崩壊www
1年ほど前、ネットで、「候」が大変話題になりました。
面白くて笑いが止まらないことを、おなかが痛いからもう止めて、とか、ネットスラングでは腹筋崩壊wwwと言いますが、NHKの大河ドラマ「真田丸」に登場する上杉景勝(役者は遠藤憲一さん)のお父さん(実の父ではありませんが)こと上杉謙信が、手紙で笑いが止まらないことを書いたものが紹介されたのです。
それは、「腹筋で候」。
これは「そうろう」と読みます。
最後にこんな話題を振っておいてなんですが、時候の挨拶の「候」は「そうろう」ではなく「コウ」と読むことは覚えておくといいと思います。